今回は所有している 3D プリンタへ Klipper Screen を導入してみました。
公式サイトのインストール手順に従うと導入は非常に簡単でした。
概要
3D プリンタには Klipper という Raspberry Pi を利用したなかなか感じの良いファームウェアがあります。 当然、私のメイン 3D プリンタへも導入しています。
このファームウェアは別 PC から web ブラウザを通して 3D プリンタへアクセスすることを基本としており、ネット環境が必須となります。
しかし、私が現在準備している作業部屋にはネット環境がないです。 別途ホーム Wi-Fi 等を契約しようかなとも思いましたが、月額料金的な問題で断念しています。
そこで、Klipper Screen というソフトを導入することにしました。 これを導入することにより、Klipper ファームウェアを使っている 3D プリンタでもタッチスクリーンを使った操作ができるようになります。 ネット環境不要、別 PC も不要で、3D プリンタの手元で操作できるようになるため、一部の需要に刺さります。
タッチスクリーン
公式サイトには動作の確認ができているハードウェアが公開されています。
https://klipperscreen.readthedocs.io/en/latest/Hardware/
この中で私は 3.5 インチの RPI ディスプレイを選択しました。 日本の Amazon で安く手に入ることが決め手となっています。
購入した商品は OSOYOO の 3.5 インチ LCD ディスプレイです。
何も変哲のない、Raspberry Pi 用のディスプレイです。 一応、サイズが小さいということで、タッチペンが付属します。 また、取扱説明書も日本語のものが用意されています。 意外と親切です。
付属している HDMI コネクタを使うことにより、スマートな感じで Raspberry Pi とディスプレイを接続できます。
Klipper Screen のインストール
ディスプレイも用意できたので、Klipper Screen のインストールを行っていきます。
はじめに、ディスプレイのドライバーを Raspberry PI へインストールします。 私が購入した OSOYOO の商品は日本語の取説が用意されていたので簡単に作業できます。
OSOYOO の github ページへアクセスして HDMI-Show というリポジトリをクローンしてコマンドを実行するだけです。
要するに次のコマンドを Raspberry Pi のターミナルで実行すれば良いです。
$ sudo git clone https://github.com/osoyoo/HDMI-Show.github $ sudo chmod -R u+x HDMI-Show $ cd HDMI-Show $ sudo ./hdmi35-480x320-show
上記コマンドを実行すると、色々文字が流れていきます。 適当に待つとドライバーのインストールが終わるので、Raspberry Pi を再起動してインストール完了です。
無事にインストール出来ていると Raspberry Pi を起動したときに次のような黒い画面が写るはずです。
次に、Klipper Screen 本体のインストールを行います。 基本的に公式サイトのインストール項目を実行すれば何も問題なく完了できるはずです。
https://klipperscreen.readthedocs.io/en/latest/Installation/#auto-install
今回は、手動インストールを行います。 KIAUH を利用した自動インストールでも良いと思いますが、好みの問題で手動インストールを行います。
手順としては下記コマンドを実行するだけでインストールできます。
$ cd ~/ $ git clone https://github.com/KlipperScreen/KlipperScreen.git $ ./KlipperScreen/scripts/KlipperScreen-install.sh
コマンドを実行すると長い文字列が流れて、自動的に Klipper Screen のインストールが完了します。
次に、各ファイルに設定項目を追加していきます。
moonraker.conf [authorization] trusted_clients: 127.0.0.1 Klipper Screen のアップデートマネージャを使用する場合は下記も追加 [update_manager KlipperScreen] type: git_repo path: ~/KlipperScreen origin: https://github.com/KlipperScreen/KlipperScreen.git virtualenv: ~/.KlipperScreen-env requirements: scripts/KlipperScreen-requirements.txt system_dependencies: scripts/system-dependencies.json managed_services: KlipperScreen
printer.cfg [virtual_sdcard] path: ~/printer_data/gcodes [display_status] [pause_resume]
以上の変更を加えて、Raspberry Pi を再起動すると Klipper Screen が動作し、タッチパネルで 3D プリンタを制御できるようになります。
後は色々とイジって遊ぶだけです。
おわり
Klipper Screen を導入しました。
思いの他、簡単にトラブルなく完了したので拍子抜けしています。
これで、ネット環境がない場所でも Klipper を使っている 3D プリンタを使用することができます。