今回は3Dプリンタのエクストルーダキャリブレーションを行います。
ファームウェアを更新した時や、エクストルーダのギアを交換した際には一度、確認しておいた方が無難です。ズレていると造形物への影響が大きいです。
自分は Ender 3 Pro を使っているので、この機種での行い方になります。
はじめに
エクストルーダの現在のステップ数を確認します。
3Dプリンタを起動して、メニューの「configuration」から「advanced settings」に行きます。「steps/mm」と言う項目を見つけて、決定を押すと現在のステップ数が表示されます。
こんな感じで表示されます。
初期値であるこれらのステップ数をメモしておいてください。
今回は一番下にある「E」を合わせますが、基本的な行い方は全部一緒です。
現状把握
基準の設定
エクストルーダのキャリブレーションを行うにあたって、「基準」を決めないといけません。基準がないとどうしようもないため、適当に決めます。私の場合、測定しやすいという理由からエクストルーダの出口を基準にすることが多いです。
ここです。
基準を決め、フィラメントをカットします。
この位置がゼロ点となります。
フィラメント送り
ゼロ点を決めると手動でフィラメントを送ります。
「motion」 -> 「move axis」 からエクストルーダを動かし、フィラメントを送ります。この時、ノズルに熱をかけていないと送ることができないので、忘れないようにします。
ノズルを送る寸法は適当でいいと思いますが、私はキリがいいので 100mm でいつも合わせています。
送り終わったフィラメントの寸法を測定します。
今回、測定すると 95mm でした。本来であれば 100mm 送ってほしいので 5mm ズレています。この差をステップ数を調整して無くします。
ステップ数の調整
ステップ数は単純に比率で考えるといいです。
232.3 step/mm で 95mm 送れ、これを 100mm にしたいので、
232.3 * 100 / 95 で計算できます。
計算すると 244.5 となったので「advanced settings」から「E」の値を増やします。
調整後にもう一度、フィラメントを送ります。
少しのステップ数が積み重なると大きくズレるため、一回で合わないことが多いです。
そんな時は何度も同じ作業をして、ステップ数を詰めていきます。
また、ノズルの温度を変えたり、100mm ではなく別の寸法を試したりなどを繰り返し、間違いないことを確認してください。
調整終了
最終的に 100mm になれば調整は終了となります。
調整が終わった後は「store setting」を押して設定を保存しておきます。
おわり
エクストルーダのキャリブレーションはこんな感じで行います。
やってみると意外に簡単で時間もかからずに終わるため、3Dプリンタの造形物がなにかおかしい人は一度確認してみてください。
また、各軸のキャリブレーション方法も基本的には同じ作業となります。
基準を決めて、手動で動かし、動いた寸法を測定、手動で動かしたい寸法に対してズレていればステップ数を調整する。
この流れになります。