3Dプリンタ Ender 3 Pro で色々な改造を行った後、印刷不良が出るようになりました。
下層の印刷が乱れ、材料が潰されたようになってしまう症状です。
今回、それらを改善できたので修理の記録として残しておきます。
現象
発生していた現象は印刷物の下層が乱れる状態になっていました。具体的には最下層レイヤーではなく下2層目から5層目ぐらいのレイヤーが潰れたようになります。俗にいう「エレファントフット」という現象とは少し違うような症状です。
黒のPLAで見難いですが、写真を載せます。
写真では分かり難いですが、最下層レイヤーは綺麗に印刷出来ています。
2層目以降、6,7層目までが材料が潰れた状態になっており、出来が非常に汚いです。
それ以降の層は比較的、上手に印刷出来ています。
原因
この症状が出ていたクリティカルな原因は物理的な要因でした。Ender 3 Pro の Z軸の動きを支えているローラが6つありますが、このローラの調整がきつかったことが真の原因です。
汚い絵で説明すると
こんな感じです。
内側にある2つのローラの内、電源側にあるローラの締め付けがきつく、Z軸が上がる際に抵抗となっていました。つまり、Gcode上はZ軸を上げようとしているのに実物が上がっていない状態となっていました。このため、本来は設定値の上がり寸法を確保できず、材料を押しつぶしていたわけです。
正確にはZ軸モータがついている方が上がり、ついていないほうが上がりきらず斜めになっている。そして、ある一定の上昇後は歪みが限界になり設定通り上がるようになり、造形が普通となります。
以上が原因でした。
対策
対策として上記内側のローラを調整しています。
調整方法は写真のナットが偏心ナットとなっているため、スパナを使って回すだけです。
調整値
調整値としてはフレームの水準を出した後、内側二つのローラが軽く触れる程度に調整しています。
ちょっと力を入れて手で回すと空回りする程度です。
調整後にZ軸を上下させて水準がズレない程度に軽く当たる程度で十分だと思います。
対策後の造形
対策後にテスト造形したものがこれです。
フィラメントが白に変わっていますが、対策前と全く同じ条件で造形しています。
非常に綺麗に印刷出来ています。ノギスで寸法を測定しても 0.05mm の誤差だったので、個人が家庭用で印刷している物としては十分な精度がでています。解決してよかったです。
気づいた要因
初めは印刷設定の問題だと思い、フィラメント吐出温度や吐出量、ヒートベッドの温度等を細かく調整していましたが、一向に改善しないので途方に暮れていました。
上手くいかないのを分かっていながら、印刷中の造形物を観察していると3層目から4層目を印刷している際に下の層のフィラメントに当たっていることに気づき、Z軸が命令通りに上がっていないのではないかと考え、調整したらうまくいきました。実際に手動でZ軸を動かすと高さによって固い部分があり、確信しています。
キャリブレーションも疑ったのですが、今までと同様のステップ数だった為、そこは後回しにしました。
雑談
いや〜しかし、原因に気づいてよかったです。スライサーの設定を2日ほど色々試して効果がなかったのでどうしようかと思っていました。平日の夜にずっと調整して時間を無駄にしていたので今後、同じ過ちを犯さないように記録に残しておきます。