以前自作した3D プリンタ Orijinal Prusa MINI のクローン品に使ったエクストルーダ部品が非常に良い性能だった為、正規品にも導入します。 使ったエクストルーダは Trianglelab の Prusa MINI 用エクストルーダです。 この商品自体は Bondtech 社のクローン品です。 クローン品ですが各パーツの品質が良く、性能も Orijinal Prusa 純正品より高いため使っていきます。
交換パーツ
今回、アップグレードするパーツはエクストルーダです。 エクストルーダというのは 3D プリンタの材料であるフィラメントを造形時に送る装置のことです。 この部品の性能が良いと造形が綺麗になったり糸引きが軽減されるなど品質面で大きな利益を得ることができます。
Orijinal Prusa MINI のエクストルーダはそこまで性能が高くないです。 構造としてはモータを動かして普通のベアリングでフィラメントを挟み込み送っています。 つまり、動くのはモータのみでベアリングは従動しているだけです。 個人的な経験上、ワイヤ状の物を送る際に片側ベアリングでは性能が出ないことが多いです。 あくまで個人的な経験の話です。
そこで、デュアルドライブという高性能な構造に変更します。 デュアルドライブは駆動モータでフィラメントを挟み込む側のローラも一緒に回転させる構造のことです。 フィラメントを挟んでいるローラ状の部品が両方回転することにより送り性能が向上します。 また、微小な滑りも軽減され、細かな部分で 3D プリンタの造形が綺麗になります。
そんなこんなで交換部品を揃えました。
エクストルーダを改造するついでにその他も部分も変えていきます。
- LCD モニタのウラ面は基板がむき出しなのでカバーを付けます
- Prusa MINI 標準の基板カバーは形が良くないと思うので別品を印刷して交換します。
- プラットフォームも Trianlgelab 製の物に変えます。
交換作業
それでは交換していきます。
交換と言っても、エクストルーダ部分をそのまま付け替えるだけです。 標準のエクストルーダを本体から外し、エクストルーダからモータを外し、モータ軸のギアを付属品と交換します。 後は逆手順で組んでいくだけです。
各部の寸法も正確に合うため特に難しいことはないです。 2.5mm の六角レンチが一本あれば 10 分ほどの作業で終わります。
交換し終わった姿は次のようになります。
交換自体は簡単に終わります。
しかし、このエクストルーダは構造上、純正品とモータの回転が逆になるため、もう一手間作業が必要となります。
モータの回転方向を変更する
前提として、Prusa MINI のファームウェアは 4.3.3 以上となります。 このファームウェアバージョンから隠されているセッティングを使い簡単にエクストルーダのモータ回転方向を変更できます。
もし、4.3.3 未満のファームウェアを使っている場合はアップデートした方が早いです。 どうしてもアップデートしたくない場合はモータの配線を交換するか、ファームウェアをコンパイルし直す必要があります。 モータの配線を交換する場合は多分、赤と青の配線を入れ替えると逆転するはずです。
ファームウェア 4.3.3 以上を使っている場合は LCD の Setting メニューに入り、セレクトノブを長押しすると隠し設定に入れます。
隠し設定が表示されたら次のように内容を変更します。
項目 | 値 |
---|---|
Extruder step | 415 |
Extruder dir | Wrong |
以上で完了ですが、一応、試運転をしておいた方が良いです。
また、ステップ数については確認として自分で長さを測定しました。 結果、全く問題なく正確な値となっています。
その他の交換
その他の交換部品はネジを外して付け替えるだけなので省略します。
おわり
今回は Orijinal Prusa MINI のエクストルーダを交換しました。
使った感じは純正品と比べて性能が良いです。 Orijinal Prusa MINI は純正だと稀にトラブルが発生する設計になっていますが、少しアップグレードすると大幅に性能が良くなります。
特に今回交換したエクストルーダは効果が高いので Prusa MINI を持っている人はぜひ行った方がよいです。