Synology NAS で自前クラウドストレージの構築

Synology NAS を使って自前のクラウドストレージを構築しました。

クラウドストレージについて

クラウドストレージとはデータを保存するために各企業が用意しているサーバースペースのことです。オンラインストレージなんて呼び方もされています。

クラウドストレージを使えばインターネットに繋がっていればどこでもファイルにアクセスできたり、データの共有も簡単に行うことができます。データを元に仕事をしている現代では必須の技術になっています。

反対に企業のサーバーにデータを保存する為、データ漏洩やデータを監視されているのではないか等の不安、懸念もあります。また、データにアクセスするためにネット環境が必須となるので、例えば、飛行機に乗っている時などネット環境がない状況ではリアルタイムに作業ができない場合もあります。

有名なクラウドストレージとして

などがあります。

Synology Drive

Synology Drive を使うとSynology NASを簡単に自前クラウドストレージとして使用することができます。しかも、windowsmaclinux(ubuntu)、androidiosと主要なOS に対応しています。特にubuntuに対応しているのが大きいです
Synology QuickConnectが必須となりますが、設定もとても簡単にできます。

導入

NAS

前提として、Synology QuickConnectを有効化している必要があります。
NASのコントロールパネルからQuickConnectタブに移動して、有効化してください。

NAS側に「Synology Drive Server」をインストールします。

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Synology Drive Server インストール

インストールが完了すると3つのソフトが出来ています。

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Drive インストールソフト

「Synology Drive Admin コンソール」を開いて初期設定を行います。
概要、クライアントリスト、ログは設定する項目がないので今は無視します。

「チーム フォルダ」タブから同期するフォルダを選択します。
ここでの注意事項として選択するフォルダはNASの先頭にあるフォルダだけです。
私のスクリーンショットで言うとDrive、File、webの3つから選ぶことになります。
(新しく作る場合はコントロールパネルの「共有フォルダ」から作ってください。)

今回はSynology Drive用に作った「Drive」フォルダを指定します。
選択して上にある「有効」ボタンを押すだけで同期の有効化が出来ます。

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Drive 連携

NAS側の設定はこれだけです。
特に難しいこともなく、非常に簡単に設定できると思います。

PC側

PC側の設定はクライアントソフトをインストールして、ログインするだけです。

Synology社のダウンロードセンターから製品の種類 (NASを選ぶ) 型番を選んで、デスクトップユーティリティから「Synology Drive Client」をダウンロードしてPCにインストールします。
https://www.synology.com/ja-jp/support/download

インストール後、始めて起動させるとQuickConnectのログインと同期させるフォルダの選択になるので任意のフォルダを指定します。初期設定でよければ自動で「SynologyDrive」というフォルダが生成されます。

後はそのフォルダにファイルを入れると自動的に同期されます。

私は初期設定でもある「双方向同期」でPC内ソフトの設定を同期しています。
この場合は、PCの容量とNASの容量、両方を使うことになります

Android

android側はPlay StoreからSynology DriveをインストールしてQuickConnectのIDでログインするだけでファイルの参照ができます。
モバイルの場合は容量を圧迫するので双方向同期ではなく、必要なファイルをダウンロードするようです。

おわりに

クラウドストレージはいろいろな会社が乱立していたときから淘汰が進み、上述した4社に絞られた感じです。しかし、linuxで使うためにはどれも使い勝手が悪いです。
(windowsだともっと使いやすと思います。)

Dropbox以外は公式のクライアントソフトはありませんし、Dropboxは無料で使用できる容量が2GBと少ない。有料プランは1,200円 / 月からと、ちょっと高い

セキュリティに優れた「Mega」というクラウドストレージもあるのですが、私の環境では同期に時間がかかりすぎる、webから対象ファイルをダウンロードするときに非常に時間がかかるなど問題がありました。

そこで、せっかく性能の良いNASを持っているのでこれを生かすことにしたというわけです。動作は安定しており、同期も高速です。また、最大容量もNASに積んでいるHDDの容量まで使えるので困ることはなさそうです。

この記事で書いたように設定も非常に簡単なのでSynology NASを持っている人でクラウドストレージを使ってみたい人や不満がある人は選択肢の1つにいれてもいいかもしれないです。

余談

Qnapでも同じようなソフトがあると思います。調べてはないです。