PLAフィラメントの個人的な評価

私は基本的に PLA 材を使って3Dプリントを楽しんでいます。
しかし、メーカーによりフィラメントの品質が大きく変わります。品質が悪いフィラメントを使うと調整の時間ばかり掛かってしまい肝心の印刷物を作る時間も減ってしまいます。そこで、現時点で私が使って良かったフィラメントをまとめておきます。自分で買う時の参考とする用です。

はじめに
条件
評価
まとめ
余談

はじめに

2021年12月現在、最も印刷状態が良かった PLA フィラメントは「OVERTURE」と「Creality3D」の物になります。次点で「PolyTerra」が良いです。イマイチだったのは「PRILINE」と「HICTOP」の物となります。自分が試したフィラメントではこのような結果となっています。

条件

比較条件をまとめておきます。

項目	内容
材質	PLA
色	白
3Dプリンタ	Ender 3 Pro ダイレクト化などの改造あり
プラットフォーム	Creality 3D 製ガラスベッド
ノズル径	0.4 mm
スライサー	Cura と PrusaSlicer
基本印刷速度	40 mm/s
印刷時ベッド温度	60 度

スライサーに関しては似たような条件で印刷しています。

印刷物は基本的に 3DBenchy という船のテストモデルを参考にしています。
特に写真などは残していませんが、フィラメントを変えた時、最初にテストするモデルなので見慣れているという事もあります。

評価は小数点一桁の5段階評価となります。超個人的な配点にしています。

評価

OVERTURE PLA

評価点: 4.5 / 5

現在使っているフィラメントの中で最も良いです。反り難い、糸引きしない、印刷時の匂いも無いフィラメントです。ただし、ガラスベッドへの定着に関しては条件出しに手間取りました。しかし、条件を決めるとトラブル無しで綺麗に印刷してくれています。

2021年12月現在、メインにしているフィラメントです。

1層目の条件として、
温度: 215 度
速度: 10 mm/s
高さ: 0.3 mm
射出: 150 % (0.6mm)
としています。

Creality 3D PLA

評価点: 4.3 / 5

Creality の PLA も OVERTURE 同様に綺麗な印刷ができます。しかし、湿気の問題か時々、フィラメントが折れることがありました。印刷していない時ならいいのですが、印刷中にも折れたことがあります。また、最近の物はパッケージが変わり品質が落ちたとのレビューもあります。少々不安ですね。

私が使った限りは安定した出力をしていました。

RepRapper PLA+

評価点: 2.0 / 5

PLA+ となっていますが、PLA との差がよくわからないので、同じとして扱います。
基本的に定着も良く、反らない、フィラメントの巻も最も綺麗なのですが、糸引きが酷いです。他のフィラメントで全く糸を引かない条件でもこのフィラメントは酷い糸引きが発生します。

また、唯一ノズルを詰まらせたフィラメントでもあります。ノズルの温度をそこまで上げていないにもかかわらず、非常に柔らかくなりノズル内を詰まらせます。この柔らかくなりすぎることが糸引きの原因とも思います。

次に買うことはないかなという評価です。

Polymaker Poly Terra PLA

評価点: 4.0 / 5

ダンボールのスプールや環境に配慮していることが特徴のフィラメントです。基本的な質は良いと思いますが、印刷中の独特な匂いが私はダメでした。30分ほど嗅いでいると気分が悪くなってしまいます。どうにも苦手な匂いです。また、OVERTURE と比べて印刷中の反りが大きいことが欠点です。

ただし、印刷物にラフトをつけるととても綺麗に印刷できます。
匂いさえ平気であればもっと評価点が上がります。

PRILINE PLA

評価点: 3.0 / 5

ほとんど見かけなくなったフィラメントです。安くて標準的な品質だと思いましたが、定着が最も悪かったです。まともに印刷できるようになる条件を出すのに最も苦労しました。定着してしまえば反りもなく、印刷物も固く仕上がります。しかし、今まで印刷した物で唯一、自然に折れるという症状がでました。PLA なので色々と弱いのは仕方ないのですが、ポッキリ折れたのはこのPLAだけでした。

アマゾンでも見かけなくなったので買うことはないです。