映画「Winny」を見た感想

映画 Winny を見てきました。 シン・仮面ライダーを見た後に続けてレイトショーで見ました。

内容は 2000 年代に人気のあった Winny というファイル共有ソフトで開発者が逮捕された実際の話を映画化しています。 所謂、Winny 事件です。

具体的には Winny 開発者の故金子勇氏が著作権侵害行為幇助で逮捕されるという有名な事件を描いています。 ちなみに、最終的には無罪となっています。

ある程度の流れを昔から知っているということもあり、映画としておもしろく見ることができました。 この事件を初めて知る人でも非常にわかりやすく作られており、専門的な用語も極力使っていなかったように思います。 技術系に興味があり、この事件を知らない人は見てもよいと思います。 損は無いという感じです。

また、実際にあった事件では様々な意見があると思いますが、私は故金子氏を擁護する思想です。 技術というのは素晴らしいものであると同時に使う側のモラルも問われます。 新しいものを開発しそれが悪用されたからと言って開発者が逮捕、刑事告訴というのはあまりにも行き過ぎていると思います。

Winny 事件

Winny 事件については Wikipedia へ詳細が記載せれています。

https://ja.wikipedia.org/wiki/Winny%E4%BA%8B%E4%BB%B6

冒頭に書いた通り、大きな事件に発展した理由は開発者が逮捕されたことです。 ちなみに、開発者は著作権法違反となるファイルのアップロードは一切行っていないです。

また、これらの事件がありつつも同様の P2P ソフトは開発され続けています。 流れ的には Winny -> share -> PerfectDark -> Amoeba と続いていきます。 Amoeba あたりで匿名性の高い P2P ファイル共有ソフトは終わったように思います。 現在は BitTorrent などが P2P ファイル共有で主流になっていると思います。 ちなみに、BitTorrent はネットワーク監視サービスがありアップロードした人を簡単に追跡できます。

ともあれ、著作権などが絡んでくるような物はネット上にアップロードしない方が良いです。

映画の感想

映画 Winny は上で書いた事件の内容、裁判の記録を映像化した作品です。

前知識を持っていた方が理解しやすいと思いますが、初めて事件のことを知った人でも楽しめる作りになっていると思います。 難しい専門用語なども極力使わないようにしています。 そのため、技術系に興味がない人でも内容は理解しやすいと思います。

また、サイドストーリーとして愛媛県警の裏金問題も取り上げられています。 Wikipedia やネットで調べる時は"仙波敏郎"で調べるとすぐに出てきます。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%99%E6%B3%A2%E6%95%8F%E9%83%8E

映画のメッセージとして警察への懐疑を訴えているのかもしれません。

全体の感想は見易く、わかりやすく、キレイにまとまっており、よく出来た映画だと思います。 実際を元にした映画でよく行われる手法である最後に本人の映像を流すという演出もよかったです。 その映像だけで故金子氏の人柄が伝わります。

Amazon Prime などで配信されたらまた改めて見ようと思える作品です。

余談

Winny の開発者である金子勇氏は最高裁の無罪が確定した約 1 年半後に心筋梗塞で亡くなっています。 享年 42 歳です。 日本のネット技術を切り開ける可能性があった人物だけに若くして亡くなったのは非常に残念です。 金子氏が生きており、自由闊達に開発できる環境があれば日本が IT 後進国と呼ばれる現在を変えていた可能性があります。 そのように思わせてくれる人物だと思います。