モータドライバを見つけたので遊ぶ

電気系部品用の工具箱内に東芝のモータドライバが転がっていました。 今は生産終了となっている前時代のスタンダード製品である TA7291P です。 せっかくなので動作の復習を行っていました。

注意事項

この製品は随分前に生産終了品となっているため、現在は売っているか不明です。 結構な数が出回っているはずなのでまだ手に入るかもしれませんが、積極的に使うものではないです。

モータドライバとは

ざっくりと言うとモータを制御する電子部品です。 モータに流す電気の向きを変更し、回転方向を制御することや制御回路電源とモータの動力電源を分けることなどができます。 別に複雑な回路を構築することによってモータの制御はできますが、モータドライバを使うことにより回路構成を小さく、シンプルにすることができます。

TA7291P

TA7291P は東芝製のモータドライバです。 私だけかもしれませんが、電子工作でモータドライバと言えばこの IC が真っ先に思い浮かびます。 セット商品にもよく同梱されているモータドライバです。

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モータドライバ

取扱説明書は Google 先生に聞くと直ぐに教えてもらえます。 今回はマルツオンラインの取説を見て配線します。

https://www.marutsu.co.jp/contents/shop/marutsu/datasheet/ta7291.pdf

端子

端子の説明は下記表となります。 IC を正面から見て、切り欠きがある左側から端子番号 1 となり、全部で端子番号 10 まであります。

端子番号 記号 説明
1 GND GND
2 OUT1 出力1 (モータへ接続)
3 なし 未使用
4 Vref モータ回転速度制御端子
5 IN1 入力1 (モータ制御用)
6 IN2 入力2 (モータ制御用)
7 Vcc ロジック側電源 (制御する回路側の電源)
8 Vs 出力側電源 (モータを動かす電源)
9 なし 未使用
10 OUT2 出力2 (モータへ接続)

今回は Vref は使わないですが、この端子に arduino などを使い、PWM 制御で範囲を指定するとモータの回転速度を変化できます。

また、配線の注意として、Vref は Vs 以下の電圧で使用する必要があります。

配線

取説通りに配線を行いました。 安定化電源などを持っていないため、arduino と電池ボックスを使い配線しています。 まず、 GND と Vcc は arduino に搭載されている GND と 5V 端子を接続します。 次に、OUT1 と OUT2 を DC モータに接続します。どっちに接続しても回転方向が変わるだけなので問題ないです。 最後に、Vs と GND に電池ボックスの + 側と - 側を接続します。 電池ボックスの - 側と arduino の GND が繋がっている状態です。

配線が終わると準備完了です。

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配線完了

あとは、IN1 と IN2 に制御側の電圧をかけるとモータが動作します。 私の画像では白と黒の配線となります。

モータの動作制御

IN1 と IN2 に電圧をかけることにより、4 つの状態制御ができます。
(0 は入力電圧なし、1 は電圧ありの状態)

IN1 IN2 動作
0 0 ストップ
1 0 正転 (逆転)
0 1 逆転 (正転)
1 1 ブレーキ

適当に arduino 側の 5V に線を挿すとモータが動いて面白いです。

おわり

今回は工具箱の中から見つけたモータドライバで少し遊んでみました。 簡単な回路でも動くと面白いものです。 arduino で簡単なプログラムを書けばミニ四駆などを制御できて楽しめると思います。

余談

倉庫を探しても安定化電源が見つからないのです。 遊ぶときの勝手が全然違うので買おうと思います。