久しぶりに 3D プリンタに関する内容です。
現在、3D プリンタ界隈では BambuLab 社の機種が高評価で流行っています。 BambuLab は中国のスタートアップ企業でなかなかに高性能な機種をそれなりの価格で販売しています。 ちなみに、所謂 DIY 系 3D プリンタではなく、完成された製品を発売しているので私は特に興味がないです。
その BambuLab 社が開発している BambuStudio という 3D データのスライサーがあります。 このスライサーはオープンソースで開発されており、私がメインで使用している PrusaSlicer のフォークです。 PrusaSlicer は Slic3r というソフトのフォークなので流れとしては Slic3r -> PrusaSlicer -> BambuStudio となります。
今回、試してみる OrcaSlicer は BambuStudio を更にフォークしたソフトウェアです。 SuperSlicer を開発していたメンバーも集まって活発に開発されているようです。 SuperSlicer は動きが無くなっているようなので積極的に使う理由はないです。
オープンソース界隈ではこのようなフォークが乱立する流れが良くあります。 一つの流行しているソフトウェアにちょっとした機能を追加してフォークし、しばらくしたら更新が停止するという流れです。 おそらく、企業が支援していないと金銭的にもモチベーション的にも厳しいのだと思います。
そのような流れで、今は OrcaSlicer が流行って、よく使われているようです。
ある程度の流行に追従するため、OrcaSlicer を試してみます。 と言っても、上で書いた通り、PrusaSlicer のフォークなので印刷品質等は変わらないと思います。
OrcaSlicer
https://github.com/SoftFever/OrcaSlicer
特徴
複数のプレート管理
個人的な OrcaSlicer の一番大きな特徴は複数のプレートを簡単に追加、管理できることです。
今までは印刷する部品一つ一つをスライサーで開き、G-Code化していましたが、OrcaSlicer では一括して行うことができます。 スライスした時は次のような感じです。 また、スライスをした際に"総合時間"も表示してくれます。
これが非常に便利です。
設定が見やすい
次に、OrcaSlicer は各種設定が非常に見やすく、整理されています。 今までのスライサーは設定が見難く、目線が行ったり来たりすることが多かったです。 (特に SuperSlicer は特段に見難いです) OrcaSlicer は準備タブのサイドバーに全ての設定が並んでおり、入力欄も縦に揃えられて非常に見やすいです。
PrusaSlicer と Cura の良いとこ取りをしたような UI になっています。
私の感覚では抜群に見やすいです。
ネットワークデバイスにもアクセスできる
Klipper や Octopi 等を使用している場合は OrcaSlicer の"デバイス"タブから簡単にアクセスできます。 準備の段階で、プリンターの IP アドレスを設定することにより、スライサー内でネットワークプリンタへのアクセス、スライスした G-Code のアップロードや印刷命令を一括で行うことが可能です。
別にブラウザを開く必要がなく、アクセスも簡単にできるのであれば便利です。 設定もすぐに終わるので捗ります。
テスト印刷
テスト印刷として、Voron Cube を出力してみました。 印刷設定自体は PrusaSlicer の内容をコピーしたのでキレイに出力出来ています。
左: Ender3 Klipper 改造機 / Overture PETG 黒
中: Prusa Mini+ 純正機 / Prusament PETG オレンジ
右: Prusa Mini+ 自作コピー機 / Overture PETG 白
現在、手元に PETG フィラメントしかないので、全て PETG 出力となっています。 まぁ、PrusaSlicer と同じくキレイに出力できています。
使った感想
OrcaSlicer は思っていた以上に使いやすいです。 設定が見やすく、各種操作も直感的に行うことができます。 予測時間の正確性や印刷品質も満足のゆく範囲です。
これはかなり気に入ったかもしれません。
おわり
OrcaSlicer という 3D プリンタのスライサーを試してみました。
非常に使いやすく一発で気に入ってしまいました。
しばらく OrcaSlicer をメインに使用してみます。